今回の味憶は結婚をひかえた女性からの依頼です。
結婚を機に実家から離れた地で新たな生活を始めるにあたり、
大好きなお母さんの味憶をつくりたいというものでした。
作った本は結婚式場に置かれ、来賓客が仲の良い親子のやりとりを
微笑ましく読んでたのが印象的でした。
ご家族向けにお渡しした本は
副菜の手順が掲載されていたり、顔がばっちり写ってたり、
巻末に家族の集合写真が掲載されていたりと
よりプライベートな仕上がりになります。
材料
煮込みハンバーグ
- 合挽きミンチ 500g
- 玉ねぎ 中2個
- 人参 1/4本
- 干し椎茸 2枚
- 豆腐 半丁(3パックの1パック)
- 玉子 1個
- 塩コショウ・片栗粉 少々
- 片栗粉(水溶き)
- 野菜スープ 500g
- はちみつ 大さじ2
- ケチャップ 大さじ2
- 白だし 大さじ2
切り干し大根
- 切り干し大根 30g
- 人参 薄切り3枚
- しいたけ 2枚
- ごま油 少々
- ごま 少々
- 塩・醤油 少々
- 椎茸の戻し汁
- はちみつ 大さじ1
- 白だし 大さじ2
今日は、依頼者が大好きだどいう
煮込みハンバーグと切り干し大根を中心に
夕ご飯をつくっていきます。
さぁ、はじめましょう。
まずは切り干し大根から。
適当な量の水で戻しておいた
切り干し大根の水気をきります。
戻し汁は後で使うのでとっておきます。
娘「戻し汁えぐ味でない?」
母「一回きれいにゆすいで使えばでないよ」
にんじん薄切り3枚を細切りに、
油揚げも同じくらい。
干ししいたけは水で戻したものを使い
同じくらいの大きさで切りそろえます。
戻し汁も使うのでとっておきましょう。
具材を切ったらごま油をあたためて、
まずは、強火で一気に具材を炒めます
全体に油がなじんだら白だしで味付け
はちみつをたっぷりいれて甘みを加えます。
(白だしを軽量スプーンで量りながら)
母「たまには(軽量スプーン) 使わせて」
娘「それで味が狂ったりしてね。いつもの味じゃない!って 笑」
切り干し大根、干ししいたけ
ふたつの戻し汁もくわえて煮込んでいきます
煮込んでる間にハンバーグのたねをつくります。
まずは、玉ねぎを切ります。
みじん切りほどは細かくせず、
食感がのこる程度で刻んでいきます。
娘「いや、けっこう細かいよ」
母「ほんと!?そんな細かくないよ」
にんじんはもう少し細かく、
戻したしいたけは玉ねぎと同じくらいに
切りそろえます。
母「子どもたちがにんじん嫌いな時期には
なるべくちっちゃく切って入れてました。
にんじんケーキとか食べさせてました。
おかしはよく作ってましたね。
子どもたちと一緒にクッキー焼いたりとか。
兄ちゃんはクッキー作るの好きなんですよ」
材料をきったら耐熱容器に移して
オリーブオイルを全体にまわしかけてから
レンジで6分あたためます。
母「この玉葱とにんじんしいたけの組み合わせは
スープにでもなんでも使えるので、
わりと作っておくんです」
あたたまったら、粗熱をとって
ひき肉500gとあわせます。
さらに、豆腐半丁、全卵一個、
パン粉をくわえて混ぜ合わせていきます。
しっかり混ぜ合わせてたねの完成です。
母「(娘の名前)ちゃーん、
おてつだい おてつだい〜
団子ちゃんを つくっていただきたいの」
娘さんにお呼びがかかりました。
ときどき切り干し大根の様子もチェック。
ごまを加えて引き続き煮込んでいきます。
ラップに小さいおにぎり一個分くらいの
たねをとって
空気を「ぺったぺった」と抜きながら
きれいに丸めたら
ビニール袋にたっぷりいれたパン粉にぽん!
まんべんなくまぶしていきます。
娘「いちいちラップに包むと?」
母「手を汚さないでいいし、次の作業もできるけん」
娘「これくらい?ちょっと小っちゃい気もするけど」
母「ちょっと小っちゃいかな、くらいでいいよ」
そうこうしているうちに
切り干し大根も煮詰まってきました。
母「ちょっと食べてみて。
まだ最後の醤油いれてないけん
あ、あついよあついよ」
母「まだ味が染みてない?」
娘「でも美味しい、すでに」
母「醤油ちょっといれまーす
(味を見て) もうちょっとだね」
娘「!?醤油冷蔵庫に入れると?」
母「冷蔵庫にはいる余裕があるんだったら、
入れれるものはいれる」
ひと煮立ちしたら火をとめます。
ハンバーグの方はというと
今日は10個できました。
母「いつもはこれの半分くらいかな」
鍋にサラダ油をあたためていきます。
揚げ物用の油よけをセットしたら
すぐにハンバーグをいれていきます。
母「低温のときにいれたほうが
お肉が縮まないでいいんです」
間髪入れずに煮込み用のソース作り
まずは自家製の野菜出汁をいれます。
これは、玉ねぎとかじゃがいもとか
普段ゴミとして出す皮などを煮出したもの。
この日も料理で出たごみは丁寧に
専用の袋へいれていたのが印象的でした。
そして、はちみつと白だしを
大さじ2杯分ほど加えます。
母「今はもう、甘みはなんでもはちみつ使ってます」
ーいま、よくつくる料理はなんですか?
母「夫婦二人になってつくるのは
お魚を煮たりとかあっさりした感じなんです。
子どもたちがいるときとは
食べるものが変わってきてるんですよね。」
出汁が煮立ってきたら
ケチャップをどばーっといれます。
母「あとは出来上がってから片栗粉をいれます」
味見して整えていきます。
味が決まったら鍋を火からいったんおろします。
ハンバーグがそろそろ頃合いです。
こんがりとしっかり揚げます。
残りも揚げていきましょう。
母「山盛りだね ハンバーグできあがりかな」
煮込みハンバーグを仕上げていきます。
ソースがあたたまったら
ハンバーグをいれてしばらく煮込み、
最後に水溶き片栗粉でとろみをつけます。
娘「なんでハンバーグそうなったん?
揚げるスタイルに」
母「なんでかな?覚えてないけど、
雑誌とかなんかで見たのかな」
さぁ、食卓の準備をしましょう。
作っておいたお味噌汁をあたためます
素麺にお麩もそえて、今日はにゅうめんです。
お味噌汁を味見
母「うちのお味噌汁薄味なんです」
巻き簾で整えていた枝豆入り卵焼きを切ります。
(四分割された器を見ながら)
娘「そんなお皿見たことないんやけど
出た!他所いき 何が4つものるん?」
枝豆入り卵焼き、
水菜と海老の明太マヨネーズ和えに
作り置いていた鯛の真子と
れんこんのきんぴらがのるんです。
母「真子は煮たんですよ。よく使いますね 。
正月は数の子とか魚卵あれば十分。」
娘「鯛の真子ってなに?」
母「知らんの!?」
とろりと仕上がった煮込みハンバーグもよそったら、
お父さんも入って、みんなで準備します。
ポテトサラダにお漬物などの常備菜も出してきて、
これでいいかな?
うわぁ美味しそう!
たくさんのおかずと
たくさんの笑顔
ふーおなかいっぱい
ごちそうさまでした!
煮込みハンバーグと切り干し大根
撮影日:2018年10月27日