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城南食堂の焼きめし

城南食堂の炒飯

今回の味憶は、お店の焼きめしです。
叔父が佐賀市で50年近く営業されていた「城南食堂」の閉店にともない、
思い出の味を残しておきたいというご依頼でお伺いしました。

ご依頼者様向けにお渡しした本は顔がばっちり写ってたり、
巻末に集合写真が掲載されていたりと
よりプライベートな仕上がりになります。

材料(2人前)

焼きめし

城南食堂外観

南部バイパスと佐賀空港に通じる
交差点に佇む城南食堂は令和元年いっぱいをもって
閉店することになりました。

昭和46年南部バイパスができ魚市場ができると、
その土地の一角で市場の人たちのための食堂のような
店として開業しました。

その後、道路拡張に伴う立ち退きで移転したり、
今度は市場が移転して大慌てしたり…
それでも新しい店舗で新しいお客さんもついてきて
気がつけば50年近く営業を続けてきました。

そんな「城南食堂」の味憶

数あるメニューの中から
依頼者が味憶として選んだのは
 「焼きめし」でした。

薄い卵でくるみ、赤いケチャップが印象的な
昔ながらの「オムライス」が周りからは
名物といわれることが多いそう。
でも、小学校帰りに立ち寄り、
カウンターから店内を見ていた依頼者の
一番は「焼きめし」でした。

「ゆめしずく」の特Aを茶碗によそう

今回作るのは2人前。
同時に作った最高は 4人前とのことですが、
美味しく仕上げるには
やっぱり少ない分量のほうがよさそう。
お米は佐賀「ゆめしずく」の特A
粘り気があって、お米自体のおいしさが
お気に入りです。

鍋の中で踊る具材に卵を投入

さて調理開始
丁寧に手入れされた古い中華鍋と
ラードが入ったやかんに
しっかりと火をいれます。

鍋がしっかりと温まったらラードをたっぷりと注ぎ
ここからは一気に。
豚こま肉を投入し色が変わったら
にんじん・たまねぎをいれ
全体に熱が入ったら玉子を割り入れます。

中華鍋をあおる店主

ここでさらにご飯と残りの具材もいれます。

一気にあおって すべての具材に
均一に火をいれていきます。
全体が混ぜ合わさったら 塩、胡椒、
うま味調味料、ウスターソース、醤油で味付け。

仕上げの香り付けに ゴマ油を少々。

配膳前に優しく整える

完成しました! この間わずか4分
お皿によそいます。

できたてあつあつ。

お玉の残りもとって、
丁寧に丁寧に整えます。

料理を運ぶお母さん

毎朝出汁をとってつくる味噌汁も
人数分だけ温めます。
その間に使った調理器具を洗います。

以前は出前もしていたのだそう。
後継者は?という質問には
「自分から好きでないもんばさ、
周りがいろいろさせても長続きせん。
興味のなか限りは続かんもん」と。

お味噌汁とお新香をそえ
ほかほかのままテーブルへ。

いただきます!やっぱりおいしい!
あっという間に食べ終わっちゃいました。

食事を終え改めて厨房へ
お昼の営業と夕方の営業の間の休憩時間
使い込まれた調理器具が 印象的な空間でした。

お金も借りず、冷凍食品に頼らず、
できたてのごはんをお届けする50年にも及ぶ日々。
今日もいつもの美味しいごはんを待つお客さんのために

そんな城南食堂のいつもの一日。

城南食堂の焼きめし
撮影日:2020年12月12日

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