今回は、家族が大好きなお母さんの料理の数々を味憶します。
兄弟それぞれ異なるリクエストに、大忙しながらとても嬉しそうな、
そしてとてもエネルギッシュなお母さんが印象的な取材となりました。
ご家族向けにお渡しした本は、顔がばっちり写ってたり、
巻末に家族の集合写真が掲載されていたりと
よりプライベートな仕上がりになります。
今日の主役は、取材当時もうすぐ87歳になるお母さん。
猛暑日が続くお昼前、すでに豚汁(とんじる) の仕込みが始まってました。
どんなものでも具になるけど必須なのはごぼうと里芋。
そして「肉は豚バラに限る!」とお母さん。
出汁が出るごぼうはささがき、里芋は大きさを揃えて輪切りにします。
大根やにんじんなどほかの野菜も火の通りが均一になるよう、同じくらいの大きさに切ります。
野菜を切り終えたら、出汁の仕上げ。
頭とはらわたをとったにぼしで昨晩からとった出汁を温め、自分で試食して買ったという鰹節をいれ、ひと煮立ちしたら取り出します。
穴あきお玉で掬った鰹節をこちらに見せながら、
「これ絞りたいでしょでもだめなんです。しぼりたい!もったいない」
と美味しいだしを取るためのコツを説明してくれます。
次に大きな鍋をあたためて油を多めにいれます。
直前に切ったたっぷりのにんにくをいれて、香りがたったら豚バラを炒めていきます。
豚バラの色が変わったら、醤油をひとたらし。
にんにくと醤油で香ばしくなったところに野菜を一気に投入します。
具材をしっかりかき混ぜておいしい油をまとわせていきます。
全体に油がまわったら先ほどの出汁を加えて中火で煮込んでいきます。きのこなど残り野菜があったらそれもいれていきます。
煮込んである間に、冷蔵庫から昨日作っておいた鶏レバーのしぐれ煮を持ってきてくれました。
もともとはご主人のために作っていた料理でしたが肝臓を悪くした次男さんがこれなら食べれる、と喜んでた一品。何かと助けてもらった料理だったそうです。
塩をちょっと入れた水に30分ほど漬け血抜きし、その後真水できれいに洗います。
お湯を沸かし、臭みをとるために人参の切れっ端やねぎの根っこ、玉ねぎの皮などをいれたものと一緒に1~2分下茹でします。
レバーの形が落ち着いたらとりだし粗熱をとったあと、食べ応えを楽しむため大小に切り分けます。
小鍋に酒とみりんを入れて軽く煮立てたあとレバーを入れ、味を見ながら3回に分けて醤油を加えます。
食べるときには生姜の千切りを添えます。
さぁ、ここからはコロッケづくりも同時進行。
まずは、じゃがいもの皮を剥いていきます。
ピーラーなどは使わず包丁一本ですいすい。
芋はできれば男爵を、とお母さん。
適当な大きさの乱切りにして水をはった鍋にいれていきます。
玉ねぎと人参をみじん切りにしながらも話は続きます。
銀行員だったご主人との素敵なお話やパスタにまつわる長男さんのことなど食にまつわる楽しいエピソードを教えて頂きました。
(完成版にはこのエピソードも記載しています)
豚汁の方も具と汁の量のバランスをみながら水分を調整し、麦味噌を溶きます。
(味見はマグカップで!)
冬場は最後にねぎをいれます。味がしまって、体にもいい。
火を止めてこれで豚汁は完成。
コロッケづくりにもどります。
人参は根っこが出てる部分は少し皮をむきますが基本的には皮付きのままみじんぎりにしていきます。
いつものにんにくも忘れずに。
「必要な栄養を、食物からバランスよくとれるように工夫するのが私の仕事なのよ。」
水にさらしたじゃがいもは浅い皿になるべく重ならないように並べて水をひとまわし。レンジで下茹でします。
コロッケのたねをつくっていきます。
にんにくを炒めて香りがでたらひき肉(合い挽き) を投入。
色が変わったら人参・玉ねぎも加えて強火で炒めていきます。
ある程度火が通ったら味塩コショウで味を整えます。
「味付けはざっくり。後でソースかけるからね。」
ちなみに、お母さんは醤油派とのこと。
そんなところに今回のご依頼人である長女さんが登場。
「水分取らないと!」と冷蔵庫からとりだしたピッチャーを見て
「それ梅酒だよ」とお母さんの冷静なつっこみ。
思わず笑みがこぼれちゃいます。
他の料理もどんどん進めます。
セロリは皮の硬い部分は削いで小口切りに。きゅうり、レタス、ヤングコーン、ブロッコリーに加え、ルッコラなどの香草もたっぷり準備して。
飲み物をとりにきた長男さんに思わず
「お腹へった?」
と声をかけるお母さん。どんなに年をとっても親子はいつまでも親子だなと感じるやりとりです。
そうこうしているうちにじゃがいももすっかり柔らかくなりました。
フライパンに加えて、強火で水分を飛ばしながらマッシュします。
そこに先ほど炒めていたひき肉と野菜を投入し、ほくほくとした感じに仕上がったら粗熱をとっていきます。
お次はサラダを仕上げていきます。
レタスは手で一口大にちぎりながら大きい皿にしきつめてセロリ、ルッコラも散りばめていきます。
長男さんが東京から持ち帰ってきた自家製のきゅうりも薄切りにし、ブロッコリ、ヤングコーンと加えていきます。
そして、お酢:4、ごま油:1、醤油:2ほどの割合のドレッシングを火にかけ、沸騰したら牛バラ肉を加えて煮ます。
お酢を強めにするのがポイントだとか。
ここでは洗面器いっぱいくらいの量のサラダを、ひとりでペロッと食べた長男さんのエピソードを添えて。
「食には物語があるね 笑」(お母さん)
粗熱をとってから長女さんがドレッシングごと和えます。
今度はコロッケを仕上げていきます。
まずは、粗熱をとった種を丸めていきます。
「なんこできるかな。小判型でいこう」
今回は9個のコロッケができそうです。
間髪入れずに衣をつけていきます。生パン粉などいろいろ試したけど、結局オーソドックスな細めのものに落ち着いたそうです。
そのまますぐに揚げていきます。
油を180度程度にあたためて、まず1個3分ほど揚げてひっくり返すタイミングでもうひとつをいれます。
「一度にいれるのは2個まで!」
「…それで、あと一品いつ作るの?」と長女さん。
なんと、ここで「じゃがいもの甘辛煮」に着手してないことが判明!
「ほんとだ!きれいさっぱり 忘れとった。えーー」(お母さん)
ということで大あわててで準備。
牛のハラミににんにくと醤油、しょうがで下味をつけます。
「昔は鯨肉でつくっていたのよ」とお母さん。
じゃがいもを乱切りしていきます。ただしコロッケのときとは違って大きさをきちんとそろえます。
電子レンジで下茹でしたじゃがいもは水分を切って素揚げします。小麦粉をまぶした牛肉も揚げていきます。片栗粉でも大丈夫だって。
写真は長男さんと協力してじゃがいもにラップをかけている場面。
揚げ終わったら、多めの砂糖を火にかけ、酒、みりん、醤油を加えて、じゃがいも・牛肉と和えていきます。仕上げに大葉をちらして。
お母さんとお孫さんのリクエスト「じゃがいもと牛肉の甘辛煮」できました!
・じゃがいもの甘辛煮
・たくさんサラダ
・コロッケ
・鶏レバーのしぐれ煮
・みんなの豚汁
これで全部完成「以上!」(お母さん)
「いただきます」
いつものおいしいごはんと
いつも元気なお母さんのおしゃべりと一緒に。
材料
鶏レバーのしぐれ煮
鶏レバー、調味料(酒、みりん醤油)針生姜
豚汁(とんじる)
豚バラ、里芋、ごぼう、人参、大根、にんにく、醤油、麦味噌
コロッケ
じゃがいも(男爵)、人参、玉ねぎ、合いびき肉、味塩コショウ
たくさんサラダ
牛バラ肉、レタス、セロリ、きゅうり、ヤングコーン、ブロッコリー、ルッコラなどの香草、調味料(お酢、ごま油、醤油)
牛肉とじゃがいもの甘辛煮
じゃがいも、牛ハラミ、大葉、調味料(砂糖、酒、みりん、醤油)
A家の大好きごはん
撮影日:2025年7月20日